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【連載】「こんなICを作りたい」を具体化します<其の3>

半導体ウェハーの写真

設計営業の山内です。
本記事はICができるまでの第3回目(最終)になります。

第1回目に紹介した
1)概算見積を行う
2)実現性検討を行う
3)開発仕様を決める
については、以下の記事を参照ください。

第2回目に紹介した
4)回路設計及び回路シミュレーション
5)レイアウト設計指示書作成とレイアウト設計
6)レイアウト検証とテープアウト(T/O)
については、以下の記事を参照ください。

前回ご紹介した回路設計及び回路シミュレーション、レイアウト設計と検証は、その都度、お客様に結果を報告し了承をもって次工程に進めます。最終的な検証が完了した後にお客様を含めて関係者が集まり最終レビューを行い確認後にマスク出しの了承を頂きます。

7)シリコンファウンドリへの製造依頼

全ての検証が完了した設計データをファウンドリへ送り、マスク製造以降を依頼します。いわゆる半導体製造の前工程と呼ばれるウェハ上に回路を作りこむ事です。

当社は、複数の国内及び海外のファウンドリと取引がありますので、各社毎に製造依頼のやり方が異なります。丁寧なフォーマットで管理されている企業様や、設計段階から関わりを持って頂く企業様などありますが、提示する内容はほぼ変わらないですね。

8)組立

ここから、半導体製造の後工程と呼ばれるICをパッケージングする工程になります。ウェハーを切断してチップ単体にした後に、リードフレームに固定して、チップとボンディングワイヤーで接続します。

パッケージの種類は、挿入型のSIP、DIPやZIP、表面実装型のSOP、QFP、QFN、SOJ及びBGAなどがあります。最近では、ウェハーレベルCSPやFOWLPのようにチップ上に再配線を行うパッケージがあり小型化に対応しています。

9)IC特性評価

ICに電源を入れることを「火を入れる」と言います。最初の評価は設計者が行ったり、立ち会うことが多く、予定通りの動作をして特性が出た時は、全員でお祝いです。ところが、何も反応がない場合には、長い夜が待っていて、解析後に問題点や課題を抽出してお客様への一報(回答)になりますが、その後のリカバリーが重要です。

評価は、機能評価と特性評価を行い、経験と工夫によって手戻りの少ない正確で確実な評価を効率的に行うように努めています。

10)エンジニアサンプルのご提示

 直接お渡しする場合では、ご依頼された評価結果を報告して問題ないことをご説明します。その後、提示したサンプルは、お客様側でシステム評価を行うことになるのですが、その結果が高評価の場合には、やっぱりお祝いします。

お客様側で評価をする場合には、設計へのフィードバックのために、結果をお聞きすることがございますのでよろしくお願いいたします。

11)フィードバック

評価結果より、設計の良かった点と悪かった点を次回に生かすために実施しています。主に機能&特性、日程、費用から次の開発に向けた活動を実施しています。当社のCSアンケートは、一方(一報)通行にならない様に双方向でお客様と会話を行い、継続して改善活動をしています。

まとめ

以上、3回に分けて記載しました。弊社のことがもっと知りたいなど、カスタムIC開発にご興味がございましたら、是非、お問い合わせ願います。尚、本内容は現時点のもので、変更することがございますのでご了承願います。